2009年8月12日水曜日

お知らせ

思いつきで移行します。
http://d.hatena.ne.jp/hishamaru/

2009年8月11日火曜日

人生に乾杯!

じさまとばさまが「俺たちに明日はない!」とか言ったらお迎えが来ちゃうのでそうじゃなくしてしまいました、的なお話。
寓話で皮肉を意図しているのだろうが、しかしあまりにも意図があけすけで、底が見えてしまっているような気がする。
おとぎ話の裏に込めた作意に嫌気がさすというか……
弱者よ決起せよ!? ……うーん、ちょっと今の自分にそういう主張に対する切迫感はないなあ。

2009年8月9日日曜日

ディック・トレイシー

ディック・トレイシー [DVD]
アメコミの実写化だが、いまいち印象に残らなかった。
ハードボイルドなのだが、余りストーリーに驚かないというか……
下敷きにコミックがあったのが悪影響を及ぼした気もする。

ソナチネ

ソナチネ [DVD]
ラストも含めて、アウトローを描いた映画としてはストレートな造りだとは思うのだが、それにアクセントを加える中盤の沖縄の海がちょっと凄すぎる。
きっと監督の人間性が滲み出ているのだろう。すごい。

2009年8月8日土曜日

2009年上半期ライトノベルサイト杯

2009年上半期ライトノベルサイト杯に初参加します。
基本的に新規作品しか読まないので、全てそちらの部門の投票になります。



・新規作品部門

勇者と探偵のゲーム →感想
勇者と探偵のゲーム (一迅社文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784758040822】
メタラノベの傑作! 上半期一番の収穫!
雰囲気小説なんてとんでもない! これは恋愛を軸足に再び物語を語ろうとするぼくの苦闘の記録だ!

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 →感想
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784757746473】
読みづらいからっておいてかれるな! 『山月記』のほうがよっぽど読みづらいぞ!
小説に没入することで得られる、今しか味わえない快楽! これをすくいあげたファミ通文庫に心から拍手!!

純愛を探せ! →感想
純愛を探せ! (GA文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784797354973】
富士見ファンタジア文庫!? と一瞬勘違いするようなファンタジーラノベの王道!
アイディアはベタながらも、ラブコメとして非常に丁寧に描かれている良作。

サディスティック88 →感想
サディスティック88 (ガガガ文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784094511246】
貧乳のツンデレヒロインが主人公を足蹴にしていればOKーーなんて時代はとうに終わった!
ここには本物の「愛」がある! SM小説の方をかぶった超良質の学園ラブコメです。

いつも心に剣を 1 →感想
いつも心に剣を 1 (MF文庫 J し 5-1)
【09上期ラノベ投票/新規/9784840126588】
今の日本において異世界ファンタジーを描くのは非常に困難だと思っている。
そこにあえて切り込み、真摯に世界を描こうとするその心意気に一票!

これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です →感想
これはゾンビですか?1  はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784829133705】
これを荒削りと言わずして、いったい何を荒削りと言えばいいのだろう?
天然と勢いが噛み合わさってできた奇跡! これぞ「今」のライトノベルの輝きだ!

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 →感想
アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
【09上期ラノベ投票/新規/9784048675178】
正直自分は、この小説が好きではない。本当にわかっているのか不安になるところも諸々ある。
だがしかし、それを補って余りあるエンターテインメント! 悔しい、でも投票しちゃうぅぅぅッ!!(ビクビクッ!)


えー。書いているうちに調子に乗りました。すみません。
普段は自分の創作メモのようになってるので、今回はなるべく煽る感じで。
下半期も面白いライトノベルに出会えるのを楽しみにしています。

2009年8月4日火曜日

レスラー

ラスト10分、入場シーンのイントロからの流れが、それまでの脚本と演技と演出が渾然一体となってとんでもない輝きを放っていた。映画はあの瞬間のためにあると思った。傑作。

教科書には載っていない!戦前の日本

教科書には載っていない!戦前の日本

戦前あたりの時代の入門編といった趣。正直自分は日本史中学以来なので、非常に楽しく読めた。ちょうど都市計画やら地下鉄やらの話を読んでいたこともあり、知識が東京という土地を中心にリンクしていくのがすこぶる心地よい。

2009年7月30日木曜日

夜と血のカンケイ。

夜と血のカンケイ。 (電撃文庫)

『ルゥとよゐこの悪党稼業』に引き続き読んだら既視感。以下、類似点を箇条書き。
・異世界のヒロインと主人公が不本意な契約を結ぶ
・ヒロインは徐々に主人公に惹かれていく(ツンからデレへの移行を描く)
・クライマックスではライバルと対立するが、ライバルは女性で自分と同等の能力しか持たない
・ヒロインがゴスロリ
現在のラノベにおいてよく見る共通点だと思う。
ツンデレ・ゴスロリのセットはいい加減にして欲しい気もするがまあそれはそれとして、クライマックスでの対立が「圧倒的な力を持つ強敵」ではなく「同等のライバルである」というのはここしばらくのトレンドのような気がする。

主人公が傍観者であり、異能を持つのが少女であるフォーマットにおいて、主人公が強敵を倒して成長するモデルは通用しない。かといって一人称視点ではない少女を成長させてもカタルシスは薄い。
そこででどうするかというと、力関係が同等である「ライバル」を置き、クライマックスのカタルシスを「ヒロインの内面的成長」に求めるのだ。主人公と関わることにより、ヒロインは内面的に成長し、ライバルを退け、「ツン」から「デレ」へと移行する。なるほど、納得!

さて、立て続けに読んだこともあって、自分は『ルゥとよゐこの悪党稼業』とこの小説を比べざるを得なかったのだが、こちらの方が良く書けているように感じた。
特にヒロインと主人公の心が近づいていく課程が、外的な事件を絡めて上手く描けていた印象。それが如実に出たのは、やはりクライマックスのヒロインの内的成長の描き方だと思う。
奇跡は機能すれば効果的だが、そのためには機能させるだけの準備が必要だ。奇跡なんて外的な出来事を起こさずとも、少女の決心という内的なドラマで、クライマックスを描くことは可能なのだ。

あ、あと単純に主人公の立場が捻ってあって導入から面白いです。

ルゥとよゐこの悪党稼業

ルゥとよゐこの悪党稼業 (HJ文庫)

まず「ツンデレ」キャラクターとしてのヒロインが存在し、「ツン」から「デレ」移行の装置としてのクライマックスを付け足す。ドラマからキャラクターが浮き彫りになるのではなく、キャラクターを引き立てるためドラマが設定されている。ならば最初からドラマなどつくらずに、「ツンデレ」という両者の移行のないキャラクターとして、四コマ的日常を描けばよい。
「ツン」から「デレ」への移行を描くには、ドラマへのこだわりが足りなすぎる。

2009年7月24日金曜日

勇者と探偵のゲーム

勇者と探偵のゲーム (一迅社文庫)

僕らはいったい、どんな物語を語りうるんだろう?

絶対的な正義も悪も、リアリティを失った。
21世紀のこの時代に、努力と勝利の進歩主義を信じることは困難だ。

そんな中、物語は何を語るべきなのか?

ベタでネタでメタなストーリーが氾濫している。
だがメタゲームの向こうには無限後退があるだけ。
そこには何もない。

それじゃあ本当の物語ってなんだろう?

人は生きて、死ぬ。
それは恐らく物語の最も原始的な形であり、生に喜びを感じ、死に悲しみを覚える限り、人間は物語から逃れることはできない。

意味のない死を意味のないまま受け入れろだって?
物語を捨てる? 馬鹿な!

必要なのは、本当の物語だ。
誰かの借り物ではなく、納得のいく自分の言葉で、できるだけ誠実な物語を語ることだ。

それはきっと、誰かの借り物ではなく、納得のいく自分のやり方で、できるだけ誠実な人生を生きることなんだと、僕は思った。

2009年7月23日木曜日

その日彼は死なずにすむか?

その日彼は死なずにすむか? (ガガガ文庫)

変えられなかった自分を変えて、少しずつ周りの環境に影響が出ていくプロセスは、感情移入の点など非常に良く書けていると思う。後半の時間の飛ばし方なんかも読んでいた限りではものすごく自然に感じた。
しかしまあ思考実験なのはわかっているとはいえ、女友達と仲良くなるだけで男子の成長が肯定されハッピーエンドを迎えるってのは、非常に抵抗がある。キャラクターを装置として見たとき、作中には恋愛対象の女性3人(とマスコットキャラ)しか存在していなくて、それでも物語が成り立ってしまうのは、果たして良いことなのかどうなのか。

純愛を探せ!

純愛を探せ! (GA文庫)

決して奇をてらわなくても、手垢にまみれた設定の中でも、キャラクターが生きてきちんと恋愛ドラマが成立していれば面白いのだ。

2009年7月22日水曜日

九罰の悪魔召喚術

九罰の悪魔召喚術 (電撃文庫)

ラストで自我の問題について考えてしまうが、まあいずれにせよ「死」は物語が切る最後のカードであり、特に主人公のそれについては慎重に扱うべきだと感じた。
あとこういう作品でヒロインに悪魔は多いが天使は少ない気がするのだが、もしかしたら撲殺天使の印象が強すぎるんだろうか。

とぅ うぃっち せる!

とぅ うぃっち せる! (電撃文庫)

ラスボスがスライム強化版なところに勝利のカタルシスは得られるはずがない。作中の描写程度では所詮スライムはスライムにしか過ぎない。大切なのはラブコメで、「修行→成長」なんて暑苦しい構造は不要になってしまっているのである。あー、なんかこれ最近どこかで聞いたなあ、と思ったらアレだ。「タッチ」だよ。というのは最近のラノベに対しての雑感。で、この作品については最低限勝利のカタルシスを得られるようになってからラブコメをやって欲しい気はする。

2009年6月24日水曜日

アキバをプロデュース 再開発プロジェクト5年間の軌跡 (アスキー新書

アキバをプロデュース 再開発プロジェクト5年間の軌跡 (アスキー新書 035)

「1+1は2じゃなく、3にも4にもなる」とか言われても正直ピンとこなくて、なかなかそんな言葉は信じられない。
でも、物作りにとってそれは間違いなく理想のはずだ。
人と人を結んでプラスアルファを導こうとしている人はこういうことを考えているんだなあ、と納得。
と同時に、秋葉原という街自体を愛している人がいるんだなあ、ということに改めて気づかされる。

2009年6月18日木曜日

あやかしがたり

あやかしがたり (ガガガ文庫 わ 3-1)

丁寧に書けているとは思う。侍のシチュエーションもそれなりに使えていて、妖怪の特色もきちんと出せている。お話もまあそこそこの意外性を出していて悪くはない。
でも欠点がない作品として評価できるかといえば、それもちょっと難しいような気がする。妖怪を倒せばで外的な問題は解決するが、しかし内的なドラマの決着はそれとまた別問題なわけで。
国に平和が戻っても、「主人公がこのストーリーで何を得たのか?」がぼやけてしまっている限り、カタルシスは生まれないんじゃないのかなあ。ふくろうのように、成長しない「キャラクター」が主人公だったらまた別だけどね。

2009年6月17日水曜日

趣都の誕生―萌える都市アキハバラ

趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫)

911以来断片的に感じていた世界への違和感が、アキハバラ論を通じてスッと収まるところに収まった感じ。オウムのサティアンに関する言及なんかは、思わず読みながら唸ってしまった。
とはいうものの、今は当時とかなり状況が違っている感じがしており、その意味で文庫化に際して追加された章は興味深い。秋葉原通り魔事件から1年、良い悪いは別として、あの街は時代を映しているんだなあ、と思った。

日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日 [DVD]

噂に違わぬ傑作。
あまりに創作っぽい出来事の連続に、映画を見終えてからWikipediaで確認してしまう。学校で習った記憶はないんだけど、まさか終戦記念日にこんなことが本当に起こっていたなんて……事実は小説よりも奇なりというが、まさに地でいっている。
奇妙なほどにクーデター側の主張に熱が入っているのは、単純な善悪の感情で割り切れない、当事者たちの思いが乗り移っているように思えてならなかった。今の時代「私は貝になりたい」をやったところで、きっとあんな切実さは乗り移らないんだろうなあ、と思う。

2009年6月16日火曜日

IS(インフィニット・ストラトス)

IS(インフィニット・ストラトス) (MF文庫J)

ツンデレヒロインを複数用意するなら、ストーリーに絡めてそれぞれの立場の差異を明確化させなきゃ意味がない。「寮の同室」「バトルの師弟」「幼い頃の約束」というそれぞれのヒロインの根っこになるものは、対比されてストーリーにはっきり絡んだ緊張関係を持つべきだ。
ツンデレって性格がメタ化されて読者にも共有されてから、ヒロインがラベリングされただけで満足されてしまうラノベが量産されているような印象がある。本当はその向こう側にあるものを表現されて初めて、愛情を抱けるんだと思うんだけど。貧乳を気にしてるツンデレヒロインが主人公どつくパターンなんて、年に何十冊読んでるだろう? 怒りのあまり撲殺、なんて極北がすでにっていうかだいぶ昔にあるんだから、ツンデレのアクションで主人公災難型で見せようとしたってかなり工夫が必要だ。

あと、主人公が鈍感だが「男の子」にこだわる、というのは懐かしさが裏返って新しいのかもしれないと思ったりする。そんなわきゃないか。でもやるんだったら土壇場でもっと「男の子」するシチュエーションをつくらないとちょっと説得力が足りない。

帝都東京・隠された地下網の秘密〈2〉地下の誕生から「1‐8計画」まで

帝都東京・隠された地下網の秘密〈2〉地下の誕生から「1‐8計画」まで (新潮文庫)

まあ、流石にここまでくると呆れが先に出るなあ。
そういう楽しみ方をするべき本なのだろうけれども、語り口があまりに乱雑で。
陰謀論なら陰謀論らしい楽しみ方がしたかった。