これだけ笑えるラノベは滅多にない。これを掬ったファミ通文庫に心から拍手!
冒頭からいきなりトップギアですっ飛ばすもんだから、正直入りの印象は良くない。というかマズイ。いきなり異世界ファンタジーで独自の世界観で国もキャラも覚えきれないほどたくさんあってしかもメインヒロインがわかりやすい定型じゃないときた。普通に語ってもわかりづらい世界観が、しかも妄想だだ流しの主人公の主観で語られるモンだから、ストーリーを追うので手一杯。
しばらくするとだんだんギアも合ってきて「おうこの妄想文体は素敵だなあ」と思うのだけれども、この文章が真価を発揮するのは愉快文がただの愉快文ではなく主人公の照れ隠しと理解できたとき。きっと照れを隠してるのは作者も同じで、ボイコット中のチラシ回収エピソードでわかるように、結構めんどくさい状況と悪意に充ちた世界を用意しておきながら、しかしどこかで「善意」ってのを信じさせるエピソードが随所に散りばめられてる。で、あのラスト。もうホントに素直じゃない。
でもまあ、本心からの言葉って普通は照れるのが当たり前で、本当のことこそ捻くれた感じで伝えた方が真に迫って聞こえるなんてのはよくあるワケで。声高に「自由・調和・博愛」とか言う方がウソクセーのはファンタジーの世界でも同じって寸法ですかね。
2009年3月10日火曜日
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳
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