集英社
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日本語の書き方がおかしい。これを世に出してしまう編集者を疑う。
多数の視点が混在する文章が一般的に非推奨なのは、別にそういう法律があるからではなくて、単純に読みづらいからだ。ライトノベルの始祖あたりに位置づけられる笹本祐一なんかも段落ごとに視点が変わる文章を書いていたりするが、しかしそれはきちんと視点を読者に示した上での切り替えで、きちんと読みやすさは保証されている。
が、この『ガラクタ・パーツ』にはそういった配慮が全く為されていない。完全にシャクアス視点のパートはその口語体と相俟って結構な読みやすさとドライブ感が出ているので、少し気を配るだけで全然読みやすい小説になったのになあ、と感じた。
地の文のギャグはやや寒い。ストーリーは偶然性に頼りすぎ。超能力バトルでありながら、駆け引きの要素に力を裂かなすぎる。演出もお座なり。続編はこのままではかなり難しい印象を受けた。
しかし女性作家ではないのか。
地の文の視点の飛びっぷりといい、バトルの力関係への無頓着さといい、もちろんキャラクターの関係図といい、女性的な文章だよなあ、と感じたのだが。