2008年8月8日金曜日

神聖のレジスタ1


能力者が一般人と差別される世界の話が2作品続く。しかも敵はどちらもテロリスト。なんだか今風なことだなあ、と感じる。
記憶喪失の主人公の前に謎の少女が現れて主人公に実は妹がいることが発覚、ってその少女が妹である以外に選択肢があるのか? ストーリー展開と共に、読者に何をどう伝えるのか、コントロールできていない。
特に主人公の動機が薄すぎる。これだけ完璧に巻き込まれ型のストーリーなのに、主人公へ好感を抱かせるようなつくりになっていない。延々記憶を思い出せずに苦しむだけの印象。なんだかんだいって、「主人公らしさ」というのは大切なのだ。

2008年8月7日木曜日

切腹

切腹
切腹
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松竹ホームビデオ (2008-06-27)
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傑作を見てしまった。
洒落た導入で気の利いた映画だと思わせておきながら、中終盤のドラマに骨の髄まで持って行かれる。ふたりの男、ふたつの立場の鬩ぎ合い。構成の妙。
何より放たれる台詞が重い。その緊張感に一言も聞き漏らせない。

脚本家が「砂の器」「羅生門」なども手がけていることを知り衝撃を受けた。
なんだこの脚本の力強さは。

2008年8月6日水曜日

スクランブル・ウィザード

スクランブル・ウィザード (HJ文庫 す 3-1-1)
すえばしけん
ホビージャパン
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超能力でテロ制圧の話。
主人公とヒロインの絆が、時間を追ってきちんと描かれていることに好感触。テロリストだの何だの事件は起こるものの、この巻で一番語られなければならないところが、形式の提示も含めてきちんと描かれていたのにはかなり好印象を受けた。
他のキャラクターも、そこまで印象が強すぎるワケではないが、しかし少ない描写でしっかりと「ストーリーにおいてどのポジションを務めるか」が示されていて良い。

能力描写にオリジナリティが少ないのはマイナス。バトルシーンはそれほど悪くないが、しかしこの話ならではの面白味に欠ける。せめてビジュアル的に差別化できているだけで全然違うと思うのだが。
テロリストがあれだけ常識人で良いのだろうか? もう少し狂気の片鱗のようなものが見えなければ、テロという行為に説得力が出ないように思える。ストーリーのためだけに配置された、字面の上だけで「箔のついた」テロリストでは、全体の熱も冷める。
敵の能力者も、ひとつ偏屈エピソードがあるだけで、ステレオタイプから脱出できるのでは、と思う。

2008年8月5日火曜日

知りすぎていた男

知りすぎていた男 (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン (2008-05-15)
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おすすめ度の平均: 4.0
4 勇敢な夫婦
4 ヒッチコック映画の醍醐味が満載


ヒッチコックの映画らしいといえばらしいのだが、なんだか乗り切れずに見た。
序盤の巻き込まれはもう溜息物。流石ヒッチコック。
だが、どうも中盤が中だるみしてしまった。息をつかせぬサスペンスの連続のはずが、なんだか息をついてしまった感じ。
劇場のシークエンスはさすがの出来だが、しかしクライマックスの歌パートは作為的で乗り切れず。珍しい。

2008年8月4日月曜日

ぶよぶよカルテット

ぶよぶよカルテット (一迅社文庫 み 1-1)
みかづき 紅月
一迅社
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おすすめ度の平均: 4.0
4 音楽を挟んだ三角関係?


なんかどこかでみたことあるなー、と思ったらエロゲコンビだった。
本編の筋よりもサティのエピソードの方が抜群に面白いのは何とも微妙。
音楽ネタは音楽描写に説得力がなければならない、というのを思い知らされた。至難。

「彼女は変わり者だから誰も近寄らないけど、差別をしない自分だけは彼女の良いところを知っているんだ」「好きで遠くから見てばっかりだったけど、近づいてみると実は彼女も僕に憧れていて」的展開はもうやめた方が良いんじゃないかと思った。形式美なのか。