2008年5月5日月曜日

藤堂家はカミガカリ

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫 た 21-1)
高遠 豹介
メディアワークス
売り上げランキング: 15109
おすすめ度の平均: 4.0
4 武器がいい
4 読みやすい作品です
4 第14回電撃小説大賞の銀賞作品です。


神話をバックグラウンドにした話は多いが、この作品のように和洋を対決させるライトノベルはそんなに無かったような気がする。
ミステリチックな謎解きがあるが、特に求心力のある謎ではない。ラストで起きる奇跡も、ややとってつけた感がある。
だが積み重ねる部分は丁寧に積み重ねてあるし、何よりも軽妙なやりとりが良い。セリフの応酬がこの作品のキモだ。

2008年5月2日金曜日

華氏451

Fahrenheit 451
Fahrenheit 451
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ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン (2008-07-10)
売り上げランキング: 16740

2008年5月1日木曜日

トラフィック

トラフィック
トラフィック
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東宝ビデオ (2001-12-21)
売り上げランキング: 7216
おすすめ度の平均: 4.5
5 アメリカの麻薬問題の深刻さがよくわかる
5 臨場感あふれる、バイオレンスアクション
5 見応え充分の社会派ドラマ
5 よくできたフィクションドキュメンタリーって感じでしょうか
5 これぞ名作

様々な視点からアメリカの麻薬問題を描く。
平行して描かれる視点はほとんど絡み合うことなく、ただ映画のある一点で交錯するのみ。だがこの映画の狙ったところは、そういった脚本的技巧ではなく、かけ離れたように見えるそれぞれの世界が、しかし確かに繋がっているというところとしてみれば、このくらいのさじ加減がちょうどなのだろうと感じた。
映画は悪を断罪しないまま終わる。麻薬問題という現実に根ざした物語である以上、勧善懲悪になり得ないのは当然だ。
「家族とは戦えない」。理屈ではなく現実であり、家族は社会の縮図でもある。麻薬問題は善悪で割り切れるものではなく、かといって社会が現にこうして機能している以上、それを変えるのは何なのか?
ある家族の形を通じて(あるいは少年の野球の姿を通じて)未来の希望への提言をするように終わる映画の着地点は、やはり心地良い物に感じた。