2008年2月17日日曜日

ストップ☆まりかちゃん!


ストップ☆まりかちゃん! (電撃文庫 す 10-1)



菅沼 誠也
メディアワークス (2008/01/10)
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一話完結の科学に踏み込んだバイオギャグ。まりかがおかしな発明してトラブル、という形式。パクマンのいないゲノム。
第一話の気持ち悪さは、ただ単に軟体動物の気持ち悪さではないのではないか。あれは科学によって人の姿を得てしまった創造物に対する気持ち悪さであり、そういう意味では正しくこの小説はSFなのだと思う。第二話の亀も同様で、トラブルと悲劇の中でさりげなく自我の問題に引っかかることで、この小説は単なるドタバタギャグではなくSF的な命題を含む小説になり得るし、そうあるべきだ。
日常の中に想像のつかないような科学理論が持ち込まれることで、今まで当然だと思っていた世界が揺らぐ――それこそが、一見ドタバタギャグに見えるこの小説が本当に描くべきものだと感じた。

後半、そういう読み方ができなかったのが残念。
純粋なドタバタギャグならば、キャラクターの力が足りず、主人公のツッコミ力もいまいち。なんにせよパクマンがいないのだ。

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