2008年12月4日木曜日

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

これくらい幸福な映画と原作の関係はないのではないか。
映画にすると聞いて「でもあの最重要トリックはどうするよ?」という疑問がまず真っ先に頭に浮かんで、まあ正直映画版の解決法はたいしたことないのだけれども、しかしこの映画の力点はまったく別のところにあるので全然問題ない。というか小説のトリックをそのまま映画に持ち込めるはずがなく、そこで新たな力点が必要になってくるのは自明の理であり、この映画化は物語の再構築に大成功しているのだ。
原作は構成とトリックが先行して、まあそれはそれでいいのだけれども、ちょっと焦点がわかりづらくなったような感があるのだなあ、とかえって気づかされる。

きっと「ハサミ男」も映画化に際してここを目指していたんだろうなあ、と思わずにはいられず合掌。いやいやオレは嫌いじゃないですけどね映画版も。

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