一話完結の変化球の入ったハーレムモノ。単なる楽屋落ちモノになっていないのはさすが、というかまあこの作者の安心感の根っこだろう。主人公のツッコミは目新しくはないが嫌みではないところも好感。ただやっぱり全体的にフォーマットに沿った感じがして、そこからさらに突き抜けたキャラクターが感じられないのが惜しい。
残念なのは最終章で大ネタがガチーンと決まった後のあの奇跡の描写。構造的な大ネタはかっちり決まっているのに、その後に心情的にヒロインをフォローすべきあの奇跡の描写がいかにも点で、とってつけたように感じられた。ヒロインの感情も理屈では理解できるのだが、大ネタに比べて説得力が薄い。前の短編の中でヒロインが抱える単なる「キャラクター」から逸脱した引っかかりを描くことができたら、おそらくラストの奇跡を迎えた読者の感慨は違ったのではないかと思う。
2009年1月14日水曜日
ばけらの!
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